Pの怪談 其ノ弐 「待ってるの…」
毎度です‼ CAPです。
この度もPの怪談を閲覧頂き、誠にありがとうございます。
先日、白浜で花火大会がありました。
小さいながらも自宅のベランダから見れました。
今年は花火大会に行く予定が特に決まってないのでこれが見納めかも知れません。
後、今月のイベントです。
夏のrock祭りはラストに8月26日(日)に飛び入り、セッション有りの音楽イベントOLDIES~音楽倶楽部~を行います。
今回のOLDIESは90年台nightとなります。90年台に流れた曲なら邦楽でも洋楽でもOKです。
90年台が青春時代の同年代には懐かしんでもらえるかなと思います。
是非、遊びに来てください‼
morning glory presents
OLDIES ~音楽倶楽部~
90年台night
2018 8.26 (SUN)
@morning glory(御坊市薗299-5 2F)
Open/Start 18:00/19:00
入場料 ¥500+1drink
☎0738-22-2000
それでは今回の怪談に入りたいと思います。
「待ってるの…」
和歌山県は御坊市にある馴染みの店、Cafe Bar MORNING GLORYに以前来られていた、マッサージ師の先生が職場の先輩が体験したお話を聞かせて頂きました。
彼の先輩が友人二人と三人で夜遅くまで御坊市内で一杯やって、家に帰ろうと由良の峠の国道を北に向かって車を走らせていた。
先輩と友人は後部座席で酔った勢いであーだこーだとバカ話をしていてもう一人の飲んでいない友人が運転をしていたそうです。
真夜中の由良の峠道は灯りもほとんどなく真っ暗でおまけに後にも先にも車がない。
車と全くすれ違わなかったそうなんですね。
そんな寂しい道を車は家路に向かって走っていました。
やがて前方に由良のトンネルのポッカリと空いた口が見えてきたそのとき、
「オイ‼ こんな時間に子供おるで‼」
突然、運転していた友人の一人が声をかけてきたので、
「こんな時間に子供なんておらんやろ‼」
「いや、おるで‼ 子供。トンネルの入り口のとこ‼」
そう言うもんですから他の二人も前方のフロントガラスを覗き込むと、確かにトンネルの入り口の脇に黄色い帽子と鞄を背負った幼稚園児の女の子が一人でしゃがみこんで何かをやっているようなんです。
「こんなトコに子供が一人でおかしないか?」
「普通、子供おったら保護者おるやろ。おったか?」
「いや~ おらんなぁ。」
「ちょっとヤバないか?」
周りには車もなんにもなければ人家もない、おまけに灯りもない真っ暗な峠道の脇に子供が一人でいることが不気味に感じた。
ところが、車はスピードを緩めて道路の脇に停車してしまった。
「オイ‼ 何やってんねん⁉」
「いや、もし迷子とかだったら思ったら気になってきたからちょっと聞いてくるわ」
そう運転していた彼が答えるもんですから先輩が、
「アホッ‼ 止めとけ‼ 絶対普通ちゃうやろ」
と、言ったのですが、
「ちょっと行って聞いてくるだけや」
と、言って運転していた彼が降りてしまったもんだから他の二人もしぶしぶ降りて行ってその子に近づいて行った。
近づいてみると、どうやらその女の子は地面にお絵描きをしているみたいだった。
「どうしたの? こんな所で何やってんの?」
運転していた彼が声をかけたのですが、その子は黙ってうつむいたまま返事もしない。
で、先輩が
「こんなトコで何やってるんや‼ パパとママはどうしたんや?」
と、多少ぶっきらぼうに聞くとこちらに顔を上げて呟くように
「待ってるの」と、答えた。
「待ってるって、パパとママはどこや?」
なおも先輩が尋ねると、その子は立ち上がって真っ暗な山の中を黙って指差したそうです。
「⁉ どういうことや? パパとママは山の中で何やってるんや?」
て、聞いてはみるのですが、女の子は
「ここでね、パパとママを待ってるの」
と、答えるだけ。
「こんなトコに一人だと危ないからお兄ちゃんらと車に行かへん?」
なんて運転手が言い出したもんだから先輩は
内心、冗談やない‼ こんな得体の知れへんヤツと一緒に乗れるかぁ‼ と思ったそうですが、幸いにも女の子はここで待ってるの一点張りだったそうです。
自分たちしかいない真っ暗な山の中でそうこうしているうちに二人とも言い様のない恐怖がこみ上げてきてどうしようと顔を見合わせていると黙って見ていたもう一人の友人が突然、
「オイ、行くで」
と言ったので二人がえっ?て感じでそっちを見ると
「エエから‼ 行くで‼」
と、怒鳴ったかと思えば車に向かって一目散に走り出したので慌てて二人もついて走って行った。
勢いよくソイツが車に乗り込むと後から車に乗り込んだ先輩と運転手の彼に向かって
「早よ出せ‼ エエから早よ出せ‼」
と叫ぶもんだからハンドルを握っていた友人は慌てて車を急発進させて勢いよくトンネルの中に突っ込んた。
「いきなりお前、何やねん‼」と先輩が言うと、
「思い出したんやけどな、アイツが指差しとったあの方向にな大きな池があってな、随分と前に確か車が転落して乗ってたヤツが全員死んだって事件があってん‼」
「何やて…」
「確か亡くなったのは両親と小さい女の子やったて聞いたわ」
「オイ、それって」
「多分あの子や。死んではぐれた親を待ってんねや‼」
それっきり三人とも家に着くまで何も言わなかったそうです。
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また次回もお付き合い頂ければ幸いです。
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